日本語にあって英語に存在しない概念というのがいくつかある。
日本育ちである限り誰もが100%躓くポイントなので、
ゆくゆく英語で仕事を考えている方に使えるTipsを置いとこうと思う。
最も頻出するのが以下の三つ
- 演出
- 表現
- 世界観
進化していった結果なのだろうか、日本語に比べて全体的に思考様式が具体的。
上記3概念をどう説明すればいいのか、以下のようにちょっと考えてみた。
例えばカットシーンに関する事柄なら、カメラ・VFX・SFX・演技などに
細分化して考える。
例えば「この演出を直したい」と伝えるならば、 具体的に演出の何を直したいのかを
いったん頭の中で具体的に整理し、 「カメラの動きに合わせて出すVFXのタイミング
をもっと早くしたい」というあたりまで粒度を落として伝えるときちんと伝わる。
演技と言ったが、演技も粒度高めの言葉なので、
「表情・エモーション・体の動き」ぐらいまで粒度を下げないと伝わらない。
〇表現
表現というのも面倒くさい言葉。
「正規表現」は英語でRegular Expressionだが、ここでいう「表現」ぐらいが英語の
Expressionという言葉が持つスコープだと考えて置いたら安全範囲だと思う。
なので「海面のさざ波の表現が人工的だからもっとランダムにして」とかなら、
いっそ「海面のマテリアルが」に置き換えてしまった方が具体的で混乱しない。
〇世界観
個人的に一番困る語彙。
雰囲気のことならMood、背景設定とか舞台のことならSettingsあたりか。
ただ「この作品の世界観が好き」と言いたいときにMood や Settingsでは何か
伝え漏らしている気がしてなんかすっきりしない。
英語が得意な方、いいアイディアがあればぜひ教えてください。
というように、これらの言葉を英語で使うときは、誤解を避けるべくとにかく
いったん日本語をかみ砕いて細かくしてから英語にまとめなおす、という
因数分解と展開みたいな作業をしないといけない。
開発に限らずに言えば、英語を話すときは常時因数分解と展開をしていると思う。
英語を話すということは英語の思考様式を使うこと。
メイドインジャパンの斎藤の頭は元々日本語の思考様式で凝り固まっているので、
英語を話すときはよくもみほぐしてやらねばならない。
この因数分解と展開を無意識にできるようになるというのが
「異なる言語間で思考様式の切り替えができる」ようになるということだと思う。
これができるようになって、語彙もある程度付いてきたら、
大抵の日本語概念に躓くこともなく相手の理解に合わせたコミュニケーションが
できるようになり、「仕事で英語が使える」と自信をもって言えたりするのではないか。